【9】黒から白は、生まれない

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父親は建設会社の社長。 金は腐る程与えられてきた。 母親は俺が2歳の時に死んだ。 愛は与えられた記憶が無い。 人の心は金で買う、親父の背中を見て学んだ。 悪い事も、喧嘩も、沢山してきた。 生活に何かしらの波を立てていないと、自我を失いそうだった。 17にも満たない俺がこんな事を言ったら、一様にバッシングを受けるのだろうけれど 心底、人生に飽きていた。 俺を取り巻くのは、絶望に近い闇、亡失、無。 こんなツマラナイ人生なら、いつ終わっても構わないと、本気で思っている。 何でもいいから、俺を埋めてくれるモノはないかと、暗中模索してきた。 一向に、見つかる気配はない。
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