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その日も、朝から飽きる程の雨が降っていた。
気だるい気分を晴らす為に、いつもの様に保健室へと向かう。
「ハルくん、またサボり?」
「授業つまんねーし、ねみーし」
「もう。君のサボりを容認してるってバレたら、私クビになっちゃうわー」
おどけたように笑うその人は、どこか昨日と違って見えた。
何でだろうかと疑問に思い、近付き、その顔を覗き込む。
「目、腫れてね?」
重みを含んだ瞼と、充血の目立つ目。
前夜泣いたのだろうという事は見て取れた。
流石に今日くらいは突っ込んで聞いてみようかと思いつつ、一先ず定位置の丸椅子へと向かう為、踵を返す。
「ハルくん」
一瞬の出来事だった。
俺の名を呼ぶ声と、ギシリと椅子が鳴る音の、その後に
「ツラい」
柔らかな温もりが、背中を覆う。
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