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プツン、と何かが弾けた俺は、その人を引き剥がすと、入口に向かい鍵を閉めた。
踵を返して部屋の奥を見渡し、その窓が全て閉まっている事を確認しつつ、その人の手首を掴んで連行する。
しわ1つないベッドにその人を放ると「きゃ」と声を漏らし、身を強張らせた。
けれど潤んだ瞳は決して俺を離さない。
――あぁ、この目ならよく知っている。
嫌がる素振りは、イコール「もっと」の本能だ。
「俺、優しくなんてしねーから」
ベッド周りのカーテンを閉めた。
今、この空間は世界から切り離された。
真白の布と、雨の音に隠れて、俺たちは今から道徳を犯す。
「旦那に怒られても知らねーよ」
俺を迎え入れたベッドは、ギシリと安っぽい音を立てた。
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