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「では、認めるんだね」
「はい」
その人は俯きながらも、ハッキリと肯定した。
順調すぎる程、計画通りに進むストーリー。
この後、校長の口からは「退学」と「免職」の言葉が発せられるのであろう。
疑いようのない結末を思い浮かべながら、俺はその人に掛ける言葉を選ぶ。
「俺の不注意でバレてごめん。旦那との仲、もっと悪くなるよな」
「旦那と別れる事になったら、俺が責任持って美緒さんを幸せにするから」
「毎日死ぬ気で働くし、美緒さんには一生苦労させない」
「俺は絶対に、美緒さんを悲しませたりしないから」
逸る気持ちを抑えつつ、校長の言葉を待っていた。
そして、審判が下る。
「悪いが、神林先生には学校を辞めてもらうよ。
遠山くん……君は一先ず、親御さんと相談だな」
「……え?」
一瞬にして、血の気が失せた。
“親御さん”
それが導き出す答えは、1つしか無い。
――「揉み消し」だ。
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