【3】これが性悪な俺のやり方

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車の中での彼女は、小さな身体を更に縮こめて、全身を強張らせていた。 まぁ、無理もない。 良く知りもしない男の運転する車の助手席に、座らされているのだから。 「服、でかくでごめんな。それくらいしか着せてやれそうなのなくて」 場を和ませようと話し掛けると、彼女は細い肩をピクリと震わせる。 どうやら、かなり緊張しているらしい。 「いえ、気を使わせてしまってすみません」 そう言って俯く彼女の表情が、翳る。 ……違う。 俺はそんな顔をして欲しくて、君に声を掛けた訳ではない。 「別に気なんか使ってない。そうやって謝るの、今後一切禁止な」 「えっと……はい。すみませ……」 彼女はしまった、という顔を見せた。 思わず、吹き出しそうになる。 「おい」 「すっすみま……」 そこまで言い掛けた彼女は、頬を染めて更に小さく縮こまった。 いちいち反応が純粋で、困る。 顔が、にやける。
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