【3】これが性悪な俺のやり方

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「あとさ」 「はい」 「名前、優愛って呼んでいいかな」 「へっ!?」 優愛。 その響きを、俺はとても気に入っていた。 同時に、どうしても彼女にして欲しいことがあった。 「いや、藍崎さん、ってよそよそしいし。俺も遠山さん、って呼ばれたくないからさ」 「え、えと……それは、つまり……」 「春樹、って呼んで」 名前を、呼んで欲しかった。 俺が女性に下の名前を呼ばせるのも、高校2年ぶり。 と言っても、あの時は相手が勝手に俺をそう呼んでいただけなのだけれど。 つまり、俺から呼んで欲しいと願ったのは彼女が初めてで。 これは昨日気付いた想いの証明その2、という訳だ。
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