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「……は?」
目を丸くし、あんぐりと口を開けた木崎。
余りに素直なその反応に、ふ、と笑みが零れる。
「はは、いやいや。暫く会わないうちに遠山も冗談を言うようになったか……」
「冗談に出来たらどんなに楽か」
「ははは…………まじで?」
「あぁ」
「お前、誰かを好きになるとかあんの?」
「一目惚れだった」
「ひとッ……!? ぶ、ぶはッ!!」
耐え切れなくなったらしい木崎は、木製の丸テーブルに突っ伏し、笑いを噛み殺しながら肩を揺らす。
木崎は大学時代の友人で、俺の出生から過ちまでの全てを知る人物だ。
だから笑われる事ももちろん予想はしていたのだが、ここまで盛大に笑われると寧ろ清々しい。
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