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2度ほど謝罪をすると、彼女はようやく前を向いてくれた。
そして今度は、俺の横顔をじっと見つめてくる。
彼女は無意識なのだろうが、昨日も同じことがあった。
品定めなのか、単なる観察なのか。
向けられる無垢な視線には、意識を削がれる。
運転に、集中出来なくなる。
「……そんなに見つめられると、照れるんだけど」
俺が小さく呟くと、彼女は再び頬を染めて、慌てて前へと向き直った。
本音は寧ろ幾らでも見つめて欲しい位なのだけれど、彼女を車に乗せている以上、事故など起こすわけにもいかない。
ようやく運転に集中できる、と小さく息をついた時。
爆弾は、前触れもなく投下された。
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