【3】これが性悪な俺のやり方

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「春樹さん」 サラリと呟かれた、完全なる不意打ち。 打たれたように、不覚にも早足になる鼓動。 「なに?」 動揺を悟られないよう、微笑を含ませながら応えた。 すると彼女はポカンとした表情で、俺の横顔を見つめた。 「いま、呼ばれたから」 「……あ」 どうやら彼女自身、無意識の中で呟いてしまったらしい。 そう思うと、何故か少し悔しくて 「すみませ――」 「俺はもっと呼んで欲しいんだけど」 俺の中の黒い部分が、再び疼いた。
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