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「何度も言うけど、迷惑にはならないから。生活するためには色々と必要な物があるだろ?」
「そうですけど……」
「第一、優愛が何も買わないんじゃここまで来た意味が無いだろ?」
彼女のその意思は、俺には必要ない。
出来ることならば、危惧の念など全て払拭してやりたい。
それでも躊躇う彼女を見兼ねて、俺は強硬手段を取る。
人間は誰しも、情に弱い。
きっと彼女は、特別に。
「それに、誰かと買い物なんて久々で、俺は楽しいよ」
彼女の頭を優しく撫でて、そう諭す。
こんなことを言われたら、きっと彼女は拒否出来なくなるだろうという、打算的である意味卑怯な言葉。
けれど俺には後ろめたい気持ちなど、微塵にも無い。
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