【1】彼女は天使か、堕天使か

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ふと視界に現れた、小さな影。 土砂降りの雨の中、傘も差さずに道の端で小さくうずくまっている。 小柄な体格と、長い髪。 恐らく女性だろう。 気分でも悪いのかと思い、1歩歩み寄る。 するとその人は、徐ろに身体を起こした。 露わになった顔は蒼白で、感情の色を無くしていた。 俺のことが見えていないのだろうか、虚ろな目はただ真っ直ぐ前を向いている。 視線に囚われるように、俺は息をすることさえ忘れていた。
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