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「ウサギを、拾ったんです」
『……へ? ウ、サギ?』
「真っ白で、汚れを知らない、小さなウサギです」
『……ほ?』
教授のポカン顔がまざまざと目に浮かび、思わずクスリと笑みがこぼれる。
『遠山くん、何かあったんだね?』
「まぁ、そうですね」
『えー!? なになにー!? ウサギみたいな彼女ができたのー!?』
「いえ、そういう訳では」
『じゃあ何ー!? まさか好きな子でも出来たの!?』
こういう時の教授は、まるで女子だ。
ここぞとばかりに、突っ込んでくる。
「……さぁ、どうでしょうか」
俺の中では確信であるその感情も、誰かに知られるのは気が引ける。
それが例え、信頼における教授だとしても。
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