【3】これが性悪な俺のやり方

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フロアの端まで歩いたところで、ふと目についた女性。 しろの、ふわふわ。 優愛と同じくらいの長さの、髪の毛。 そして焦った様子で辺りを見渡す、その姿。 「すみません」 俺は迷わず声を掛けた。 「もしかして、娘さんをお探しですか?」 突然声を掛けられたことに驚いたのか、はたまた違う理由でか、母親らしきその人は薄く頬を染めて、目を丸くする。 「そ、そうなんです。娘を、カナを見かけたんですか?」 「はい、娘さんで間違いないと思います。連れが保護してますので、案内します」 「すみません……! ありがとうございます!」 女性はその場で、深々とお辞儀をする。 やがて上げた顔のその目には、うっすらと涙が滲んでいた。
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