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その人はゆっくりと、天を仰いだ。
その姿はあまりにも妖艶で、儚げで、幻にさえ思えた。
彼女は、天使か。
いや、それとも堕天使か。
纏う衣は、紺青。
天使を思わせるには余りにも不釣り合いだ。
天を仰いで、何を待つのか。
死か、それ以上の何かか。
他人にこれっぽちも興味のない俺が、彼女に近付いたのは恐らく本能で
せっかく地上に舞い降りたのなら
消えてほしくない
そう、思った。
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