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「ってことは、優愛は春から大学生か」
「はい」
「どこの大学?」
それは、ごく自然な会話の流れ。
他愛のない会話、その一部のはずだった。
「H大学です」
「……え?」
か細い声が紡いだのは、俺が一番良く知る大学の名前だった。
いや、まさか。
この世にそんな偶然が、存在するのだろうか。
「……どうかされましたか?」
固まる俺に、彼女は目を丸くして、尋ねる。
「俺の勤務先もH大学だよ」
……そうか。
もしかしたら、これは俺への挑戦状なのかもしれない。
「優愛、学部は?」
「商学部です」
あぁ、もう、決まりだな。
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