【4】今の俺なら、君を上手に愛せるだろうか

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ありえない。 俺が、彼女と、結婚? まだ出会って間もないというのに? 「えぇ!? 遠山くん、そのウサギちゃんを逃したら、絶対この先結婚できないよ!」 「あぁ、それも肯定します」 「自覚あるなら尚更じゃないかー! 君がその気になれば、どんな女の子だって簡単に手に入っちゃうんだからさ!」 そういう訳にもいかないんですよ、教授。 彼女はあくまでも、カミサマからの借り物。 いつ消えるかも、分からない。 そんな曖昧な存在に、これ以上深入りしてはならない。 それに意地の悪いカミサマが与えた障壁も、無視出来るものではない。 「とりあえず、今は何もしませんよ。教授、そんな事よりさっさと仕事を片付けましょう」 「えぇー! 気になって仕事も研究も手につかないよ!」 「それはやめて下さい。ウサギがお腹を空かせて待ってるので」 正確には、ウサギがお腹を空かせた俺を、待っているのだけれど。 「……そっか! よし、ならさくさくーっと終わらせちゃおうね! あぁ、授業がないって最高だなぁ。研究に没頭できるよー」 教員らしからぬ発言が見受けられたものの、俺にとっては慣れたボヤキなので、スルーしておく事にする。
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