【4】今の俺なら、君を上手に愛せるだろうか

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助教の仕事を始めてから数ヶ月。 教授のやり方にも大分慣れて、仕事の効率も上がってきたところだ。 「教授。教務課に提出する書類をまとめたので、目を通して頂けますか?」 「あぁ、どれどれ? んー、おっけー!」 「ありがとうございます。では、提出してきます」 これは形式上、やらなくてはならないことなので、一応やっているだけ。 教授は書類を読んでなんかいない。 言葉通り、目を通しただけ。 大学の事務的な仕事は全て、俺に委ねられている。 頼りにされていると言えば聞こえはいいが、要は面倒な雑用を押し付けられているだけだ。 けれど早く仕事をこなせるようになりたい俺にとっては、寧ろ有難い事だった。
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