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教務課に書類を提出し、研究室へと戻る。
窓の外には薄闇がかかり、壁掛け時計の針を見ては、逸る気持ち。
「教授、キリがいいので今日は帰らせて頂きます」
「はーい! ありがとねー遠山くん。春休み期間なのに」
「いいえ。私が休めば休むほど、仕事は増えていく一方ですから」
「あぁ、爽やかな嫌味だねー!」
教授は目尻にしわを寄せて、柔らかな笑顔を俺に向ける。
この会話には、毒がない。
気心知れた関係だからこそ、通じる冗談。
「では、お先に失礼します」
「はーい! ウサギちゃんによろしくねっ!」
デスクからひらひらと手を振る教授に軽く会釈をして、俺は研究室を後にした。
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