【4】今の俺なら、君を上手に愛せるだろうか

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帰宅ラッシュの時間帯にも関わらず、車は渋滞に捕まる事も無く、順調に進んでいく。 そして彼女に伝えた時間よりも30分程早く、家に着く事が出来た。 出勤時に密かに送った念が通じたのだろうか。 もしくは、今日のカミサマはご機嫌なのだろうか。 何にせよ幸運な事には代わりは無く、だらしなくも口元が緩む。 車を出て、徐々に増していくのは逸る気持ち。 最早エレベーターを待つ時間さえももどかしい。 彼女は本当に、夕食を作って待っていてくれているのだろうか。 そもそも、買い物はちゃんと出来たのだろうか。 迷子になって、どこかで困ってはいないだろうか。 ……家を出て、そのまま居なくなったりはしていないだろうか。 様々な憶測が頭を行き交っては、目を瞑る。 彼女がいつ消えてもいいようにと、自制を掛けていたはずなのに 俺は既に、彼女が俺の元から居なくなる事に、恐れを感じている。
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