【4】今の俺なら、君を上手に愛せるだろうか

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部屋の前に着き、解錠して中へと入る。 俺の視線が最初に求めたのは、廊下の先にあるはずの光。 続けて、足元に並べられた小ぶりのローファー。 どちらも、俺の期待を裏切る事はなかった。 一先ずほっとして、胸を撫で下ろす。 そしてぶり返してきた逸る気持ちを必死に抑えつつ、淡い光の漏れるリビングへと向かった。 「ッ!?」 ドアをスライドさせた瞬間目下に現れたのは、大きな目を更に大きく見開いたウサギの彼女。 「っあービックリした。……どうした?」 「え、あ、すみません! 予定より春樹さんの帰りが早かったので、それで……」 慌てふためく彼女の、左手には。 「ああ、少し早く帰れたんだ。……で、それは俺へのプレゼント?」 「へ?」 彼女の顔よりも二回りほど大きな、テフロン加工のフライパン。
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