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部屋の前に着き、解錠して中へと入る。
俺の視線が最初に求めたのは、廊下の先にあるはずの光。
続けて、足元に並べられた小ぶりのローファー。
どちらも、俺の期待を裏切る事はなかった。
一先ずほっとして、胸を撫で下ろす。
そしてぶり返してきた逸る気持ちを必死に抑えつつ、淡い光の漏れるリビングへと向かった。
「ッ!?」
ドアをスライドさせた瞬間目下に現れたのは、大きな目を更に大きく見開いたウサギの彼女。
「っあービックリした。……どうした?」
「え、あ、すみません! 予定より春樹さんの帰りが早かったので、それで……」
慌てふためく彼女の、左手には。
「ああ、少し早く帰れたんだ。……で、それは俺へのプレゼント?」
「へ?」
彼女の顔よりも二回りほど大きな、テフロン加工のフライパン。
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