【4】今の俺なら、君を上手に愛せるだろうか

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「うまそーな匂いするな。本当に作ってくれたのか」 「はい。けどおかずがもう1品あるので、あと10分くらいかかります……」 「そうか、じゃあ先に風呂入ってくる」 「分かりました。ご飯の準備しておきますね」 「あぁ」 彼女の微笑を見届けて、俺は風呂場へと向かった。 そこでふと、気付く。 「……スーツのままじゃねーか、俺」 普段ならば一度自室に戻り、荷物を置き、スーツを脱いで風呂場へと向かうはずのところ。 そんな日常の過程さえ抜けてしまうほど、今の俺は浮かれているのだ。 「んとに、どうしようもねーな」 俺は彼女に、どこまで溺れていくのだろうか。
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