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本当に、いつかバチが当たると思っている。
俺は死んだら間違いなく、地獄に堕ちる運命なのだろう。
けれど俺には、そうする事しか出来ない。
人を愛する事に代償が必要ならば、そもそも誰も愛さなければいいのだ。
自分が傷付く程度の事なら我慢出来る。
けれど相手を傷付けてまで、その未来を奪っておいてまで、愛する事は正しい事なのだろうか。
……分からない。
大人になったはずの今でさえ、何が正しいのか分からない。
俺がただ単に、逃げているだけなのだろうか。
同じ失敗を繰り返す事が、怖いだけなのだろうか。
誰かその答えを
俺に、教えてくれないだろうか。
――淡く染まる薄桜の景色に、見知った横顔を見付けた。
このタイミングで現れた君に、出来過ぎたストーリーだと笑いが浮かぶ。
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