6450人が本棚に入れています
本棚に追加
/678ページ
こんな風に呼び止めて、ピンクの景色に溶け込むような台詞を落として
俺は、彼女に何を望むのか。
まだ出会ったばかりで、素性も、お互いの事もさほど理解出来ていないというのに
彼女に、俺を好きになって欲しいと願うのか。
彼女はあくまでも、借り物で。
俺とは補色の関係にあるような、女性。
俺はイケナイと分かっていながら
この甘さは彼女を侵食すると分かっていながら
止められなかった。
案の定、真っ白な感性には効き過ぎたのか、彼女は顔を真っ赤に染め上げて、その場で固まった。
その姿は、やはり純真が過ぎていて
笑いを、悦びを、抑えられなかった。
最初のコメントを投稿しよう!