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「……十夜」
「へぇ。覚えてるのか、俺のこと」
数年前よりも格段に高くなった目線は、俺とさほど変わらない。
「久しぶりだな」
向けられる敵視も、あの時から何も変わっていない。
「来てやったぞ。同じフィールドに」
親父から聞いていた。
十夜がこの大学の、しかも俺と同じ商学部に、入学してくるという事。
「入学おめでとう」
「てめーに祝われたところで1ミリも嬉しくねーよ」
十夜が俺に向ける敵視の理由は明白で、否定も出来ない。
俺はこの想いを、受け止めることしか出来ない。
「ところで。さっきの女、お前の彼女?」
……けれど。
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