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驚くほどに無抵抗な彼女は、俺に言われた通り、 シャワーを浴びた。
そろそろ出てくる頃だろうか。
俺がシャワーの使い方や用意した着替えの話をしている間も、彼女の表情に色が灯ることはなく、終始心ここにあらずといった様子だった。
一体、彼女に何があったのか。
何故、傘も持たず、何も持たず、あそこに立ち尽くしていたのか。
今の時点で考えられる、幾つかの理由。
その中で最も濃厚なものは……やはり家出か。
彼女は遠目で見たときに感じたよりもずっと若く、少女と言うべきか、女性と言うべきか、悩む年頃。
しかし無垢な幼さの残る顔立ちから見ても、未成年であることには間違いないだろう。
多感な年頃だろうし、実際俺も彼女ほどの年齢の時は、家に帰らない日などザラだった。
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