【5】独占欲は、どこまでも俺を黒くする

13/16
前へ
/678ページ
次へ
「彼女には手を出すなよ」 「てめーがそこまで入れ込む女か、興味あるな」 ……くそ。 俺達のくだらない兄弟喧嘩に彼女を巻き込む事だけは、何としてでも避けたい。 「いいか。問題だけは起こすなよ」 「てめーみてーな不祥事は起こさねーよ」 売り言葉に買い言葉。 十夜は、何としてでも俺を怒らせたいらしい。 その気持ちも分からなくはないが、これ以上無駄に付き合ってやる意味もない。 「それより、式に出なくていいのか。首席狙ってるんだろ」 「っせーな。遅刻して入るほうが印象わりーだろ」 それは確かに、否めない。 「ぜってー越えてやるからな」 十夜はそう一言吐き捨てると、淡いピンクの中へと歩いて行った。
/678ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6454人が本棚に入れています
本棚に追加