【5】独占欲は、どこまでも俺を黒くする

16/16
前へ
/678ページ
次へ
もしも、彼女を手に入れる事が出来るのなら。 彼女が俺を、好きになってくれるのなら。 カミサマがそれを、許してくれるのなら。 今直ぐにでも、彼女をこの腕の中に収めてしまいたい。 俺以外の誰にも触れられないように、カゴの中に閉じ込めてしまいたい。 彼女と過ごした時間は、たったの1ヶ月。 驚く程短い時の中で、こんなにも増幅している気持ちに、自ら恐ろしさを覚える。 こんなにもハイペースで彼女を好きになってしまったら、間違いなく俺はどこかで暴走するのだろう。 それだけは絶対に、避けなくては。 ――彼女は真っ白なキャンバス。 そこを黒く塗り潰すには、まだ、早い。
/678ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6454人が本棚に入れています
本棚に追加