【6】君を縛り付ける為の約束を

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「たっだいまー!」 「教授、随分と早いですね」 教授は満面の笑みで研究室に現れると、黒のバインダーノートを机に放おった。 「どうせこの後また集まるんだしさ、早く終わらせてあげたほうが学生のためじゃない?」 ……という尤もらしい言い訳を添えるものの、ただ自分が早く研究室へ戻りたかっただけに違いない。 「そうだそうだ! クラスの子にね、遠山くんに負けず劣らずのクールイケメンがいたよ!」 「……十夜のことですね」 「あれっ? 知り合いなのかい?」 目を丸くして、きょとん顔で俺を見つめる教授。 いずれ個人面談などで十夜の家庭事情は知れることだし、今のうちに話しておこうか……。 「弟です。義理の、ですが」 「えーっ!?  そ、それはビックリだよ! どビックリ!」 予想通りの反応をありがとうございます。
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