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言い返せない私を見て
いい気になったのか
麗子さんは
屋敷中に聞こえるんじゃないかと思うほどの大きな声で
「あんたなんか
さっさと出ていきなさいよ、
あんたがいると
こっちまで嫌な気分になるわ!」
「……すみません……」
ぎゅっと麗子さんには見えないよう
手を握る。
気を抜くと舌打ちをして
麗子さんに
暴言をはいてしまいそうになる。
ここで怒りに身を任せてしまうと
今までの言動が全て無駄になってしまう。
「ほんと、あなたって
クズね!!
なんで、あんたなんか面倒みなきゃいけないのよ!ほんと、いい迷惑よ!」
そう言うと
麗子さんは何処かへ行ってしまった。
今までの麗子さんとの
やりとりを見ていたのか使用人二人が
ひそひそと話しているのが見えた。
気にしていないフリをして
自室へと急いだ。
中庭へ出て
渡り廊下を渡ると
一つの小屋へと着く。
小屋と言っても
それなりの広さだ。
その部屋へと入ると
襖をしっかりと閉めた。
そして
私はカバンをその場に叩きつけた。
息を吸い込み
なるべく小さな声で
「ぎゃーぎゃーうっせぇんだよ!
クソババアが!!!バカのひとつ覚えみてぇに私のことボロカスに言いやがって!!お前が浮気してんの知ってんだかんな!?いざとなったらこのことばらしてやるからな!!覚えとけや!カス!!ぜってぇ、この家に仕返ししてやる!▲▲▲▲を※※※※※※にしてやる!!!!!」
はぁ…はぁ……。
息切れしてしまった……。
いつもは
ここまで酷くはない。
あの麗子さんというクソブ…じゃない
女性は
私の父親の兄…叔父にあたる
健治さんの妻である。
この人は、
豪遊ばかりで、イケメンな人には
甘くてなんでもかんでも貢いでしまう。
多分、今日もホストクラブにでも
出掛けていったのだろう。
思わずため息が出てしまう。
何故こんな人が
大島家に嫁いできたのだろうか……。
噂では
健治さんが麗子さんの
押しに負けたらしい……。
健治さんは押しに弱い性格だから
こんな私を引き取ったのだろう……。
「へ……くしゅん…っ!!」
……~あ~……寒いー……。
とりあえず、
着替えよう…… 。
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