十七歳の地図

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2.はじまりさえ歌えない ふと目を閉じればアスファルトの道端に うずくまり黄昏の影に手を伸ばし何か求めてた 埃りだらけのビルディング ウイスキーの匂いがするよ 俺の心の中には求めるものがひとつも映らないよ 君の弾くピアノ まだ覚束ない 刺激の強すぎる この街では心が鈍くなってゆくよ 君を抱きしめ離したくない 愛の光を ともし続けたい カラカラに乾いた喉 へたばるまで走るのかい ひとりぼっちの汗は誰の眼にもとまらない 蒸し暑い倉庫の中で 30分の休憩をとり つめ込むだけのメシを食べて 届かない窓に手を伸ばしている なけなしの金のためのアルバイト 楽しくやるには この街では金だけが頼りだよ 君のためなら死ねるさきっと 愛こそすべてだと 俺は信じている この街じゃ俺達 まだまだ世間知らずさ 情熱は空回りの 把みどころのない影 走り出してはいつも 路頭に迷い込んで 把むものも何もなくて はじまりさえ歌えない俺がいる 辿り着くといつも最終の電車 酔いどれのひとり言は この街では欲望に崩れてゆく この街から君を守りたい 愛の光を ともし続けたい 君を抱きしめ離したくない 愛の光を ともし続けたい
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