第二章 町方同心

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三人でゆっくりと湯船に浸かり、そこで名前を考えてみた。 子供の頭をぼんやりと見つめる。 「髪が白いからシロなんてどうだ?」 俺が思いつきで提案してみると 「それじゃうちの隣のイヌと一緒でやんす!もっと人間らしい名前考えるでやんす」 平八に却下された。 もう一度考え直す。 「じゃあ…銀」 どうしても髪の色から離れられない俺。 平八はう~んと考えて 「もうちょっとひねりが欲しいでやんすね」 「ん~じゃあ、俺の爺様が一郎太という名前だからそこから一字もらって『銀太』なんてどうだ?」 「あ、それいいでやんすね」 子供も嬉しそうに頷く。 「よし、おまえの名前は今日から銀太だ!」 てなわけで、名無しっ子のことは、今日から銀太と呼ぶことにした。
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