第二章 町方同心

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同心に連れて来られたのは、俺の長屋から南に下ったところにある『宮本宮神社』というところだった。 何の神様がいるのかは知らんが、大きな神社だ。 鳥居をくぐり奥に進んで行くと、この近江という同心と同じ黒い羽織を着た男が数人立っていた。 近江殿は、その男たちの間を通り 「今先生をお連れした!!」 と、大声で言っていた。 先生?? まさか俺のことじゃないだろうな。 境内の奥の方へ行くと、そこには深い雑木林があり、その一角に何かが置いてあるのが見えた。 その途端「うっ!」と声を出し、平八がピタリと立ち止まった。 何かを察知したようだ。
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