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俺は気にせず奥に進む。
近江殿が大きい声で
「これを見てくれぬか!!」
そう言って『ござ』の上に置いてある白い塊を指さした。
俺は近くまで行ってそれをよく観察した。
!!
「これは……!」
俺が見た白いもの…それは、まぎれもなく人の死体だった。
その姿はまるで、カイコのさなぎのように、細い糸でグルグル巻きにされた男の死体だ。
歳は四十前後だろうか、短髪で頬が痩せこけた男で、肩から膝あたりまでが白い糸で巻かれている。
首元や脚などに、何かに噛みつかれたような跡があり、その部分が無くなっている。
まるで虫に食われた葉っぱのようだ。
無残な死体としか言いようがない。
あまりの酷さに吐き気が込み上げてくる。
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