第二章 町方同心

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「ぎょぇえええ!!」 後ろの方から平八の叫び声が聞こえる。 この死体を見て絶叫しているのだろう。 銀太を家に置いてきてよかった。 連れてきたらとんでもないものを見せる結果になっていた。 近江殿が俺の隣で膝を曲げ、死体をじっくり見た後に 「……龍志郎殿、これは一体何だ?」 と、俺に聞いてきた。 俺に聞かれてもわかるはずがない。 むしろこっちが聞きたい。 この流れから考えると、妖怪とかそんな感じの雰囲気だ。 俺がここに呼ばれたのは、きっと役人たちも妖怪か何かの仕業だと思っているからだろう。 ……俺は一体、妖怪の何なのだ? 妖怪のことについては一切詳しくないが。
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