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近江殿は頭を抱えている。
急に殺人事件の担当になって、本当に困っているようだな。
何とかしないと……。
担当を斬り捨てたのは俺のようだし……。
俺はもう一度死体に近付き、近江殿と同じように膝を曲げじっくりと観察した。
問題はこの白い糸だ。
試しに触ってみると、何だかネバネバしていた。
とても人工的に作られたもののようには思えない。
近江殿は同じように糸に触り、こう口走った。
「むううう、まるでクモの糸のようだ」
??
その言葉が俺の頭の中の何かに引っかかった。
クモの糸……。
前に龍之介から聞いた話を思い出した。
『獣の泉』の話だ。
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