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2-3.糸巻き殺人事件
同心の近江勇次郎と共に、俺は一旦自宅へと戻った。
無残な仏さんを見たせいか、あまり誰かと言葉を交わしたい気分にはなれなかったが、調べを進めないことには何も始まらない。
家に戻ると銀太の姿はなかった。
どこかに遊びに行ったのだろうか。
平八はとんでもないものを見たせいで、ずっと具合が悪そうにしていた。
平八の口があいうえおの『お』の形をしたまま戻らない。
よほどビックリしたようだ。
『お』の口をしたまま、しばらく自分の家で休むと言って帰っていった。
無理もない。
惨殺に等しい死体を見たのだ。
俺自身もまだ頭がクラクラしている。
もうこんな被害は出したくないものだ。
俺の手でさっさと解決してしまいたい。
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