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異質なものに人は恐怖を抱く。
私も、その恐怖を抱きつつ、
彼女は決してイジメられないだろう、
と思った。
どんなに変な外見をしていても、
あれだけの意志を秘めた目を持つ人間は、イジメられることはない。
私にもそれだけは分かる。
つまり、私は転校生によって救われることはなく、
また、私はイジメられ、
キツくて、なんの光もない学校生活がまた、続くのだ。
小金沢松子は私の後ろの空いていた席に無言で座った。
私は、振り向くこともせず、
泣けるなら、この場で泣きたかった。
転校生に、一番期待していたのは、
妄想がちな男子生徒ではなく、
私だったのかもしれない。
高校2年生の1学期。
春の穏やかな日差しが教室に差し込み、花の香りを風が教室に運ぶ。
風にゆらめくカーテンはとても幻想的で美しかった。
そんな春の教室で、
私は、小金沢松子と出会った。
そして、
これが、始まりだった。
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