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◇◇◇
「もうすぐクリスマスだねー」
窓から外を見ながら、美波が嬉しそうに話す。
街も人もみんなクリスマス気分なのに、あたしは何も考えていなくて。
「美波は何か考えているの?」
「んー。特には」
「今日さ、買い物に付き合ってくれない?」
「クリスマスプレゼント?」
「うん」
「あたしも買わなきゃって思っていたし、ちょうどいいかも。……そういえば最近達哉くんはどうなの?」
美波が思い出したように言う。
「え、達哉?」
「うん。まだしつこくされてる?」
「ううん。最近はないかな」
学園祭での出来事から、あまり絡んでこなくなった。
といっても普通に話したりはする。
ただ『やり直したい』とは言わなくなった。
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