155人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
綺羅の瞳を真っ直ぐに見つめる。
「そんなとこ、全部好きになった」
「ちょっ、と待って! こっち見て言われると、俺、勘違いしそうになる。やべっ、どきどきしてきた」
「……勘違いじゃ、ないよ。あたし、綺羅のことが好き」
綺羅の目が大きく見開いた。
「マ、ジ?」
コクンと頷く。
言っちゃった。
とうとう言っちゃったよ。
「美耶」
「ん?」
「俺も、美耶が好きだ」
そう言った綺羅の真っ直ぐな視線は、あたしの胸をどきんっと高鳴らせる。
一度高鳴った心臓はすぐにおさまることはなく、だんだん勢いを増していく。
ドキドキドキドキ……
どうしよう。
心臓が壊れそうなくらいに激しく動いている。
「美耶」
名前を呼ばれたかと思ったら、ふわりと抱き締められた。
最初のコメントを投稿しよう!