ほんとの想い

8/10
155人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
綺羅の瞳を真っ直ぐに見つめる。 「そんなとこ、全部好きになった」 「ちょっ、と待って! こっち見て言われると、俺、勘違いしそうになる。やべっ、どきどきしてきた」 「……勘違いじゃ、ないよ。あたし、綺羅のことが好き」 綺羅の目が大きく見開いた。 「マ、ジ?」 コクンと頷く。 言っちゃった。 とうとう言っちゃったよ。 「美耶」 「ん?」 「俺も、美耶が好きだ」 そう言った綺羅の真っ直ぐな視線は、あたしの胸をどきんっと高鳴らせる。 一度高鳴った心臓はすぐにおさまることはなく、だんだん勢いを増していく。 ドキドキドキドキ…… どうしよう。 心臓が壊れそうなくらいに激しく動いている。 「美耶」 名前を呼ばれたかと思ったら、ふわりと抱き締められた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!