もう一つの証-2

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「桐谷さーん!!」 「祐子ちゃん!」 私たちは久しぶりの再会のように大袈裟に手を振り合った。 二人ともお昼休みに会える可能性を最大限にするべく、いつもよりも随分早く食堂に来ていた。 私も午後一で渉さんのお客様を迎えるので早目に来たのだ。 今日はゆっくり食事が出来そうなのでもちろん定食。 二人でトレイの上のから揚げ定食にもテンションが上がる。 席はまだたくさんの空きがあったけれど、私たちは迷わず一番奥の隅に座った。 席に着くと私は箸を持つ前に切り出した。 「土曜日は…本当にごめんね」 私は手のひらを合わせて謝った。
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