もう一つの証-2

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室長の視線で渉さんも私に気が付いた。 私が立ち上がって二人のところに行こうとすると、 室長はそれを手で制して首を横に振った。 どうやらそれはしなくていいようだ。 突然立ち上がった私に今度は祐子ちゃんが不思議がる。 「…どうしたの?」 そう言いながら、私の視線の先を振り返る。 「…あ」 祐子ちゃんも二人に気付く。 …と、同時に後ろのテーブルにいた彼女たちのことも視界に入れてしまった。 祐子ちゃんはすぐに正面を向き直して、少し顔を伏せた。 「祐子ちゃん…」 私もゆっくりと腰を降ろした。
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