もう一つの証-2

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そして、同時に噂女子の一行もカウンター近くの渉さんと室長を見つけてしまったのだ。 急に顔を寄せ合う女子グループ。 「あ、今日は二人…。絵になるよね…超カッコイイ」 「でもさ、菊森室長は…桐谷さんと付き合ってるんでしょ?」 「…だよね…。最上階での社内恋愛。なんか入り込む隙(スキ)が無いって感じ…」 「ほーんと、悔しいけどお似合いなんだよね…あの二人」 「でもさ、まだ社長はイケるでしょ?室長とはタイプが違うけど、強引そうなのがまたたまんないよねぇ」 「そうそう、しかもうまくいけば玉の輿」 「だよねーー」 嫌でも聞こえてしまう彼女たちの会話。 祐子ちゃんの伏せた顔を覗き込みながら、私は小声で囁いた。 「…場所…移る?」
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