4160人が本棚に入れています
本棚に追加
プレートに綺麗に盛り付けられたデザートを分け合いながら
気になってたことを聞いてみる。
「渉さん…。今日の帰りって…」
…確か
帰らないって…言ってたような気がするけれど…
「今日は帰らねえよ」
…やっぱり、聞き間違いじゃない。
「この店の裏に離(ハナレ)がある」
「ハナレ…ですか?」
「ああ、ちっこいペンション風」
…ウソ…。
「今日はそっちも予約済み」
その時、厨房から草薙さんがやって来る。
コーヒーのいい香りと一緒だった。
「ちっこくて悪かったね」
「あ、聞こえてましたか?」
「耳はいいんだよ」
そう言いながら草薙さんはテーブルにコーヒーを置いて微笑む。
「…あっちは準備してあるからいつでもいいよ。二人でゆっくりするといい」
「ありがとうございます」
渉さんが答えた。
「…すみません…ありがとうございます」
私もあまり事情がのみ込めないまま渉さんに続いてお礼を言った。
最初のコメントを投稿しよう!