もう一つの証-2

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ガシャン。 私の隣に置かれたトレイ。 私の隣はもちろん渉さんだ。 向かいでは室長が祐子ちゃんの隣に静かにトレイを置いた。 「…お疲れさまです」 私が先に二人に言うと、祐子ちゃんはそれに遅れて小さな声で言った。 「…お、お疲れ…さまです」 祐子ちゃんは隣に室長が来たことに加えて、渉さんが一緒なものだから、焦るくらいに驚いている。 私にとっては担当役員と上司なので、この位置関係にも慣れている。 ただ… 「…社長、お昼は後から召し上がるって…」 私は渉さんのトレイから渉さんに視線を移して尋ねた。
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