もう一つの証-2

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「俺とお前がお互いを想ってる。…それでもう…十分釣り合ってんだろ」 「…渉さん…」 私も 渉さんを名前で呼んでいた。 みんなの前で 涙を流して。 私の向かいでは 祐子ちゃんも指先で涙を拭っていた。 「祐子ちゃん…私…自分のことばっかりで…ちゃんと助けてあげられなくて…ごめんね…」 彼女は首を大きく横振った。 私は誰に言うでもなく その場でしっかりと言葉にした。 「…私が付き合ってるのは…社長です。遠野社長と…お付き合いしています」 「…ごめんなさい…」 女子グループの誰かから静かな謝罪が囁かれた。 渉さんの手が私の頭にふわりと置かれた。 「お前はもうとっくに…俺にふさわしい女だ。お前以外に俺に誰がいる?…誰にも文句は言わせねーよ」 渉さんは箸に手を伸ばした。 「早く食うぞ。時間がねえ」 渉さんは冷めたから揚げを口に放り込んだ。
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