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「俺も久々だ。前回来たのは…今の会社のグループに就職が決まった時…だな。社長になった時には来てる場合じゃなかったしな」
いいことがあった時
渉さんが通う…
…特別な場所。
それならば
今回はどういう理由で渉さんは私たちをここに連れて来てくれたんだろう…
疑問に思ったけれど、私はそれを口にはしなかった。
ただ、これは言っておきたかった。
「ここに連れて来てくださって…ありがとうございます」
渉さんは鼻で笑う。
「…とんだ目に遭ったけどな」
私は首を横に振る。
二人のカップが空になる。
渉さんは目を細めて言った。
「望愛…あっちへ行こう」
私は横に振った首を
ゆっくりと縦に頷いて見せた。
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