第2章

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  「それで、あったんですか。他の人と」 「……判って訊いてんでしょ」 「女性のことは、判りません。だから僕はあなたの口から聞きたい」 「ないわけないでしょ。これでもあたし、モテるんだから」  先生の眉根が、じりっと寄せられた。 「それは、僕へのあてつけですか?」 「う、自惚れないで……!」  完全に、売り言葉に買い言葉。  ぴくり、ぴくりと先生の眉が不機嫌そうに動いた。  こんな顔は、初めて見る。 「自惚れじゃなければ、  これは何なんです」  先生の手が伸びてきて、あたしの鎖骨の下を撫でた。  ビクッと身をすくめてから、先生の指先が往復するその場所を見る。 .
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