第2章

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  「……あ」  胸の少し上、  やわらかいその場所に  小さく内出血の痕。 「何の関係もない男に、こんな痕をつけるのを許すんですか。きみは」 「や……」 「いつから、そんな尻軽になり果てたんです?」 「……っ!」  先生は怖い顔をして、あたしの手を掴んだ。  ガシャンとマグカップが落ちて、コーヒーが床にこぼれる。 「……どうなんですか。答えなさい」 「やめて」 「答えるまで、やめません」  先生に顎を掴まれて、鼻先が触れ合いそうな距離で睨まれた。  ……怖い。  そして、悲しい。 .
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