第2章

14/39

277人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
  「待ちなさい、そんな恰好で……」 「知らない! 先生に関係ない!!」  はだけたシャツの前をかき合わせて、バッグとコートを掴む。 「飛鳥さん!」 「失礼します!!」  ──覚束ない足下に何とか力を入れて、研究所を飛び出した。  ロビーを横切る時、受付と警備員さんのびっくりした顔が目に入ったけど、何もなかったふりなんてできなかった。  身体に残る、先生の色んな感触が生々しくて──まともな大人ならどういう行動を取るか、なんて。  とても考えられなかった。 .
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

277人が本棚に入れています
本棚に追加