第2章

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   その日も、もう陽が傾いて、下校アナウンスと音楽がそろそろ流れる、という時間。  開いている恋愛小説を読み終えたら、図書室を出ようとぼんやり考えている時だ。  パタ、と目の前に本が置かれる。  ハッと顔を上げた時には、そそくさと図書室を出ていく男の子の背中が見えた。  空気の動き方からして、あたしの目の前に本を置いていったのは、出ていった男の子……だと思うんだけど。 「何これ。あたしに片付けろってこと……?」  口の中でぼそぼそとつぶやきながら、本を手に取った。  戦国の武士の鎧とか兜の写真がいっぱい載ってる本だった。  こんなの、開いてみようという発想がそもそもない。  首を傾げながら表紙をめくると、そこには封筒が挟まっていた。 .
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